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写真集「うつろ」について

先日写真集を出した。その写真集のことを記録を兼ねて書き残しておこうと思う。

作品の内容は平たく言うと自分自身と同世代の人達が持っている(であろう)価値観について。

私は自分が生まれたこの時代が嫌いなわけでも、日々の不遇を誰かのせいにするつもりもない。ただ、何事にも確信を持てないし常に何か不信感のようなものを抱えていて、自分と世界の関係に実感や強度が伴わないうつろさというものを感じていた。疎外感や喪失感、諦観のようなものかもしれない。そして自分はそれを埋めるために写真を撮っている。既存のものや世界に信仰を持てないのであれば、自分だけの信仰を作ればいい。もしくはそれを求め続ける姿勢を持っていたい。というようなことを表現した作品。

先述した世代観についてというのも重要だけど、何より自分がなぜ写真を撮るのかについて深く考えた作品なので多くの人に見てもらいたい。それが写真集にしようと思った大きな要因だった。自分や自分とよく似た人のために、そしてどこかのまだ出会ったことのない人のために。

今までZINEのようなものは幾つか作成したことがあったが、今回は本当にしっかりとした世間に出回っている本と謙遜ないような質の物を作りたかった。

後ろ盾や人気があるわけでもない自分が色んな書店に営業し、販売してもらうにはそうする他なかった。そのためにかなりの金額を使ったけど、今回はしょうがない。完売しても大赤字。

そういう訳で、手にとった人が少しでも気に入るものに仕上がっていれば幸いです。

 

© Masamitsu Magome 

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