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吉祥寺

年始に吉祥寺に引っ越した。

中野は街自体は好きだったが暮らすには合わず、1年も経たずに引越しとなってしまった。もう些末な事で嫌な思いはしたくないと吉祥寺を選んだ。

この街は馴染み深い場所だ。初めて来たのは高校一年生の頃だった。来てすぐにこの街を好きになって、今はだいぶつまらないけど居心地のいい場所であり続けている。

そもそも生活するのに本当に便利な街だ。

ここに越して来てから電車に乗る機会が激減した。何せ他に行かないで殆どのことを済ませられる。

写真に関しては、正直あまりうまくいかずにいる。1_WALLでファイナリストに選出された「月で会いましょう」という作品を作り終えた時、それまで蓄積されていた自分の中の感情や経験、伝えたい思いを全て出し尽くしてしまった様に感じた。

「今日になる」から「うつろ」「月で会いましょう」に至るまで、本当に自分自身や世界(または社会、他者)と自分なりに真剣に向き合いがむしゃらに制作してきたが、もう自分には何も残っていないのではと酷く落胆した。燃料を使い果たしてしまった様な状態に陥っていた。

ただ、やってきたことは結果として手元に残っているから、それを活かし、写真で仕事をするという目標を持って初夏頃から雑誌出版社等に営業を始めた。

まだまだその方向の結果は出ていないけれど、挑戦することがあるのは楽しくまた幸せなことだと思う。それに、近頃やっとまた自分のなかに表現欲求が芽生えつつある。今までよりかなり遅いペースになってしまいそうだが徐々に新しい作品をつくり始められている。

結局、嬉しいことや苦しいことがあっても人生はつづいていく。例えば僕は死ぬ勇気もないし、写真を諦めることもできない。

どうにかして自分を奮い立たせ、前へ進もうとし続けなければいけない。

 

© Masamitsu Magome 

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